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福祉事業と小規模事業者持続化補助金(一般型)について解説
福祉事業と補助金の組合せについて解説します。今回は事業のスタートアップ時に最適な「小規模事業者持続化補助金」についてです。「一般型」についての説明になります。
小規模事業者持続化補助金とは
(1)趣旨・目的
目的「小規模事業者等が今後複数年にわたり相次いで直面する制度変更等に対応するために取り組む販路開拓等の取組の経費の一部を補助することにより、地域の雇用や産業を支える小規模事業者等の生産性向上と持続的発展を図ることを目的とします。」
参考:令和元年度補正予算・令和3年度補正予算 小規模事業者持続化補助金<一般型> 公募要領
小規模事業者持続化補助金は、個人事業主や企業の販路開拓や業務効率化の取組を資金面で支援するために、補助金という形で対象経費の一部を補助するものです。
(2)補助対象となる者が限られます
小規模事業者持続化補助金の補助対象者の範囲には制限があります。
・事業規模
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く):常時使用する従業員数5名以下
サービス業のうち宿泊業・娯楽業:常時使用する従業員数20名以下
製造業その他:常時使用する従業員数20名以下
・対象となる者、対象とならない者
福祉事業者に多い法人格である一般社団法人や社会福祉法人、NPO法人(例外有り)な
どは対象外の制度ですのでご注意ください。
※特定非営利活動法人(NPO法人)は、以下(ア)(イ)の要件を満たす場合に限り、補
助対象者となり得ます。
(ア) 法人税法上の収益事業(法人税法施行令第5条に規定される34事業)を行っていること。なお、収益事業を行っていても、免税されていて確定申告書の提出ができない場合は補助対象外です。
(イ) 認定特定非営利活動法人でないこと。
参考:令和元年度補正予算・令和3年度補正予算 小規模事業者持続化補助金<一般型> 公募要領
(3)補助率、補助金上限
ホームページ制作費など「ウェブサイト関連費」は、補助金交付申請額の1/4までが上限です(例:申請額が50万円の場合は12.5万円が上限になります)
※詳細は小規模事業者持続化補助金<一般型>公募要領を参照してください。
小規模事業者持続化補助金の活用例
福祉事業者が小規模事業者持続化補助金をどのように活用するのか、いくつか例を挙げて説明します。
(1)ホームページ作成(ウェブサイト関連費)
利用者や家族はサービスを利用する前にインターネットを使って施設情報を検索します。魅力的なサイトであれば、問合せや体験利用に繋がる可能性が高くなります。インターネットを使った販路拡大を行うために小規模事業者持続化補助金を使ってホームページを作成します。
※営業活動に使うためだけのホームページは対象外になります。あくまでサービスの宣伝広告のためのものが補助対象になります。
(2)チラシ、広告の作成、配布(広報費)
福祉事業は地域密着型事業です。オンライン媒体によらない販路開拓も有効な業界です。周辺地域に対してチラシや広告を作成、配布する事も有効な販路開拓な方法になります。ポスティングによる配布はもちろん、病院、公共施設等、需要の高い場所に設置することで、より宣伝効果を増すことができます。小規模事業者持続化補助金はこのような紙媒体を使った宣伝経費にも対応しています。
(3)施設の改装・バリアフリー化の工事(委託・外注費)
施設利用者の利便性の向上に資する事は、販路開拓に繋がります。そこで、利用者が過ごしやすいような施設にするために、バリアフリー化の工事を第三者に委託・外注します。「補助事業で工事を終えた後、ホームページやチラシ・広告を使い宣伝を行う」のように(1)(2)との組み合わせで申請を行う事も可能です。創意工夫を凝らした取組であると、より一層の収益向上効果が見込めます。
グループホーム設立のために必要な費用
グループホーム設立を目指す際、費用に関して、選ぶ法人格や物件など諸条件を考慮して検討します。こちらは次回のブログで改めて解説します。
※本記事は2022年7月4日に作成したものです。