事業承継・引継ぎ補助金の申請方法について解説
事業承継・引継ぎ補助金は「経営革新枠」「専門家活用枠」「廃業・再チャレンジ枠」の3つの枠で構成されていてそれぞれ別個に公募要領が存在しています。また各事業でも申請者の状況に応じて類型が異なります。小規模事業者持続化補助金やものづくり補助金等の補助金などと比較してもルールが複雑で注意点も多いのが特徴です。「公募要領を確認しても要点が分からない」という方向けに、申請方法について解説します。事業承継・引継ぎ補助金の活用を検討している方は参考にしてください。
※2024年1月9日に開示された8次公募の情報を基に解説しています。
交付申請から補助金交付までの流れ
まずは、申請から補助金交付までの流れを把握します。下記1-5の順で手続きが進みます。実際に補助金が交付されるのは最後になるので、それを前提としたスケジュール調整が必要になります。
1.交付申請(申込)
2.採択(交付決定)
3.補助事業実施
4.実績報告
5.補助金交付
交付申請の流れ
交付申請については1-4の流れで検討していきます。以下、セクションごとに解説します。
1.対象事業の決定
2.事業承継・引継ぎ補助金制度の理解
3.交付申請
対象事業の決定
事業承継・引継ぎ補助金は「経営革新枠」「専門家活用枠」「廃業・再チャレンジ枠」の3つの事業に分かれています。申請者の実施する取組内容によって申請する事業が異なります。まずは自身の取組がどの枠に該当するのかを確認しましょう。
経営革新枠
事業承継やM&Aに伴う新事業開始の際に係る経費の一部を補助するもの。下記1-4に当てはまる取組は経営革新枠の対象になる可能性があります。
1 親族内承継を実施、検討している
例)会社の代表者(父親)が高齢のため引退、その息子が後継者となり事業承継を実施する
2 事業承継・M&Aによって経営資源を引き継いだ(引き継ぐ予定である)
例)事業承継によって新規事業を始めたが、その際に従業員や施設を受け継いでいる
3 事業承継・M&A後の自社の取組に費用が掛かる
例)事業承継・M&Aを行うにあたり特許権等取得が必要になる。そのための弁理士費用やマーケティング調査に多額の費用がかかる
4 新規事業に際して、設備投資や広告宣伝費用を必要としている
例)事業承継・M&Aを行い、飲食事業を引き継いだ。新メニューを開発するために業務用冷蔵庫や広告宣伝費などの費用がかかる
※経営革新枠の解説は「事業承継・引継ぎ補助金(経営革新事業)について解説」を参照ください。
専門家活用枠
経営資源の引継ぎ(M&A)を行う際にかかるM&Aの専門家(FA・仲介業者)への費用の一部を補助するもの。下記1-4に当てはまる取組は専門家活用枠の対象になる可能性があります。
1 M&Aを検討している
例)既存事業が軌道に乗り事業を拡大したい。その手法としてM&Aによる企業買収を考えている
2 M&Aの提案を受けている
例)引退を考えているが後継者がいない。廃業をするより会社を売却して資金を得たい
3 M&Aにかかる専門家(FA・仲介業者等)と契約を締結している
例)自社の売却を行うためのデューデリジェンスを税理士に依頼しているが、その税理士がM&A支援機関であった
4 M&Aにかかる専門家(FA・仲介業者等)に対して費用が必要となる
例)自社の売却のため税理士、社会保険労務士、行政書士など多くの専門家が関わることになり、専門家にかかる費用が多額になる
※専門家活用枠の解説は「事業承継・引継ぎ補助金(専門家活用事業)について解説」を参照ください。
廃業・再チャレンジ枠
M&Aによって事業を譲り渡せなかった事業者が始める新たなチャレンジのための、廃業にかかる費用の一部を補助するもの。下記1-4に当てはまる取組は廃業・再チャレンジ枠の対象になる可能性があります。
1 2020年以降で、M&Aにより会社や事業売却を行おうとした
例)2021年、コロナ禍の影響で経営状況が悪化。・M&A マッチングサイトに登録して事業売却を進めていたが売却までに至らなかった
2 会社の廃業を考えているが、売却の目途が立っていない
例)事業承継・引継ぎ支援センターへ相談しながら事業の譲渡を目指しているが、一向に進捗がない
3 会社の廃業の際に費用がかかる
例)廃業をする事業が建設業故、廃業の際の建物・設備の解体やリースの解約に多額の費用がかかる
4 会社を廃業後、新規法人の設立や新規事業などで再チャレンジをするつもりである
例)既存事業を廃業して、異なる業種で新たな事業を始める。抱えている在庫を廃棄したい
※廃業・再チャレンジ枠の解説は「事業承継・引継ぎ補助金(廃業・再チャレンジ事業)について解説」を参照ください。
事業承継・引継ぎ補助金制度の理解
事業承継・引継ぎ補助金のWEBサイトには掲載されている各枠(経営革新枠、専門家活用枠、廃業・再チャレンジ枠)ごとの資料を確認自身の用途に応じて各資料を確認、理解を深めます。
公募要領
事業承継・引継ぎ補助金に関する情報全般が網羅されています。交付申請の際に最も重要になる資料です。申請に向けて具体的な情報を得たい方は必読です。
交付申請方法
補助金申請システム「jGrants」より交付申請を行います。事業承継・引継ぎ補助金は対象となる枠(経営革新枠、専門家活用枠、廃業・再チャレンジ枠)や自社の取組内容によって要件が異なりますので、間違いのないように注意してください。
gBizIDの取得
交付申請の受付は「jGrants」からのみ受け付けています。jGrantsを利用するためには、あらかじめ「gBizIDプライム(ID)」を取得している必要があります。gBizIDの取得には、1~3週間ほどかかりますので取得していない方はまずgBizIDの取得をしてください。
必要書類の収集
申請に必要な書類を取得します。法人の場合は履歴事項全部証明書、個人事業主の場合は住民票など、取得に手続きが必要となる書類がありますので、時間に余裕をもって収集してください。各事業の8次公募における必要書類は下記の通りです。
交付申請に必要な書類(経営革新枠)
1 共通して必要な交付申請書類一覧
交付申請フォーム | 書類 |
共通 | ・交付申請書
・認定経営革新等支援機関による確認書 |
フォーム1、9 | 〇承継者(個人事業主)
1 住民票(発行から3カ月以内のもの) 2 税務署の受付印のある直近3期分の確定申告書B(第一表・第二表)と所得税青色申告決算書(P1~P4)(注 1) ※開業初年度で申告前の場合、税務署受付印のある開業届と青色申告承認申請書を提出 ※開業前の場合、その旨を記載した書面を提出 |
フォーム2、5、6、10 | 〇共同申請者である被承継者(法人)
実績報告類型番号の5に相当する場合で共同申請を行う場合は、追加で以下の書類を提出 3 履歴事項全部証明書(発行から3カ月以内のもの) 4 直近期の確定申告の基となる決算書(貸借対照表・損益計算書) ※設立前又は設立初年度で確定申告前の場合、その旨を記載した書面を提出 ※設立初年度で確定申告前の法人で前身となる関係会社がある場合、その旨を補記した関係会社の決算書でも可 |
〇承継者(個人事業主)
1 住民票(発行から3カ月以内のもの) 2 税務署の受付印のある直近3期分の確定申告書B(第一表・第二表)と所得税青色申告決算書 ※開業初年度で申告前の場合、税務署受付印のある開業届と青色申告承認申請書を提出 ※開業前場合、その旨を記載した書面を提出 |
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フォーム7 | 〇承継者(法人)
1 履歴事項全部証明書(発行から3カ月以内のもの) 2 直近3期分の確定申告の基となる決算書(貸借対照表・損益計算書) ※設立前又は設立初年度で確定申告前の場合、その旨を記載した書面 ※設立初年度で確定申告前の法人で前身となる関係会社がある場合、その旨を補記した関係会社の決算書でも可 |
フォーム3、11 | 〇承継者(法人)
1 履歴事項全部証明書(発行から3カ月以内のもの) 2 直近3期分の確定申告の基となる決算書(貸借対照表・損益計算書) ※設立前又は設立初年度で確定申告前の場合、その旨を記載した書面 ※設立初年度で確定申告前の法人で前身となる関係会社がある場合、その旨を補記した関係会社の決算書でも可 交付申請類型番号3に該当する場合で、交付申請時に法人成が未了である場合、上記に代えて以下の書類を提出 3 法人成前である個人事業主の税務署の受付印のある直近3期分の確定申告書B(第一表・第二表)と所得税青色申告決算書 4 住民票(発行から3カ月以内のもの) |
〇共同申請者である被承継者(法人)
実績報告類型番号が7、8(8は株式移転に限る)に該当し共同申請を行う場合は、追加で以下の書類を提出 5 履歴事項全部証明書(発行から3カ月以内のもの) 6 直近期の確定申告の基となる決算書(貸借対照表・損益計算書) ※設立前又は設立初年度で確定申告前の場合、その旨を記載した書面 ※設立初年度で確定申告前の法人で前身となる関係会社がある場合、その旨を補記した関係会社の決算書でも可 |
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フォーム4、12 | 〇承継者(法人)
1 履歴事項全部証明書(発行から3カ月以内のもの) 2 直近3期分の確定申告の基となる決算書(貸借対照表・損益計算書) ※設立前又は設立初年度で確定申告前の場合、その旨を記載した書面 ※設立初年度で確定申告前の法人で前身となる関係会社がある場合、その旨を補記した関係会社の決算書でも可 交付申請類型番号 4 に該当し、交付申請時に法人成が未了である場合、上記に代えて以下の書類を提出 3 法人成前である個人事業主の税務署の受付印のある直近3期分の確定申告書B(第一表・第二表)と所得税青色申告決算書 ※開業初年度で申告前の場合、税務署受付印のある開業届と青色申告承認申請書を提出 ※開業前の場合、その旨を記載した書面を提出 4 住民票(発行から3カ月以内のもの) |
2 該当者に必要な書類
補助率に関する要件充足を証明する書類 | ①~④のいずれかに該当し補助率 2/3 以内を希望する場合には、下方に記載された必要書類を提出。要件はいずれか1つのみを選択可。
➀ 中小企業基本法等の小規模企業者 ② 物価高等の影響により、営業利益率が低下している者 ③ 直近決算期の営業利益または経常利益が赤字の者 ④ 中小企業活性化協議会等からの支援を受けている者 |
➀ 中小企業基本法等の小規模企業者
・直近期の法人事業概況説明書の写し(法人) ・直近期の所得税青色申告決算書(個人事業主) |
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② 物価高の影響等により、営業利益率が低下している者
・営業利益率低下に関する計算書(法人・個人事業主) ※直近事業年度と2期前の事業年度を通年にて比較する場合 ・直近期および2期前の、確定申告の基となる決算書の損益計算書(法人) ・直近期および2期前の所得税青色申告決算書(個人事業主) ※直近事業年度、交付申請時点で進行中の事業年度のうち、それぞれ任意の連続する3カ月にて比較する場合 ・比較対象となる月の試算表(法人・個人事業主) ・顧問会計専門家作成の営業利益率低下に係る計算書(試算表作成がない場合) |
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③ 直近決算期の営業利益または経常利益が赤字の者
・直近期の確定申告の基となる決算書の損益計算書(法人) ・税務署の受付印のある直近の確定申告書B(第一表・第二表)と所得税青色申告決算書(個人事業主) |
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④ 中小企業活性化協議会等からの支援を受けている者
・再生事業者であることを証明する書類 |
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経営者交代類型(Ⅱ型)における、「未来の承継」の要件充足証明書類 | 経営者交代類型(Ⅱ型)の同一法人内の代表者交代において、未来の承継による要件充足証明書類は下記の通り。
・事業承継計画表・事業承継計画書(骨子) ・後継者候補主導の取組であることが確認できる、補助事業の実施体制図 ・未来の承継実施に係る誓約書 |
M&A 類型(Ⅲ型)における、「グループ申請」の必要書類 | M&A 類型(Ⅲ型)において、グループ申請を行う場合には下記の書類を添付。
・出資関係図(任意様式) ・グループ一覧(任意様式) |
承継者である代表者が、交付申請時点で代表権
のない場合についての資格要件充足を証明する書類 |
経営者交代類型(Ⅱ型)、M&A 類型(Ⅲ型)で交付申請時に事業承継が完了していない場合は①~③に該当する書類いずれか1つ以上を提出。
➀ 3年以上の経営経験を有している者 ・該当する会社の履歴事項全部証明書又は閉鎖事項全部証明書(交付申請日から 3 カ月以内に発行) ② 同業種での実務経験などを有している者 ・職務経歴書、在籍証明書等 ③ 創業・承継に資する下記研修等を受講した者 ・産業競争力強化法に規定される認定特定創業支援等事業を受けた証明書 ・地域創業促進支援事業(平成29年度以降は潜在的創業者掘り起こし事業)を受けた証明書 ・中小企業大学校による経営者・後継者向けの研修等を履修した証明書 |
補助上限額、補助率等における、賃上げ要件の充足意向にかかる書類 | 補助上限額の変更に関する賃上げ要件の充足を表明する場合、下記書類を添付。
・賃金引上げ計画の誓約書 ・従業員への賃金引上げ計画の表明書 ・直近(交付申請時点)の給与支払期間における賃金台帳の写し |
加点事由にかかる書類 | ① 「中小企業の会計に関する基本要領」又は「中小企業の会計に関する指針」の適用を受けている事業者
※下記いずれかの書類 ・中小企業の会計に関する基本要領のチェックリスト(顧問会計専門家印のあるもの) ・中小企業の会計に関する指針のチェックリスト(顧問会計専門家印のあるもの) |
② 経営力向上計画の認定、経営革新計画の承認又は先端設備等導入計画の認定書を受けている場合
※交付申請時に有効な期間における、下記いずれかの書類を提出 ・経営力向上計画の認定書および申請書類(経営力向上計画) ・承認書(経営革新計画) ・認定書(先端設備等導入計画) |
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③ 地域おこし協力隊として地方公共団体から委嘱を受けている場合
・地域おこし協力隊員の身分証 |
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④ Ⅰ型で、認定市区町村による特定創業支援等事業の支援を受けている場合
・認定市区町村による特定創業支援等事業の支援を受けたことの証明書 |
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⑤ Ⅰ・Ⅲ型で、第三者による補助対象事業となる事業承継の形態に係る PMI計画書の策定を受けている場合
・補助対象事業となる事業承継の形態に係る第三者が作成した PMI計画書 |
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⑥ 地域未来牽引企業である場合
・地域未来牽引企業の選定証 |
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⑦ 健康経営優良法人である場合
・健康経営優良法人の認定証 |
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⑧ サイバーセキュリティお助け隊サービスを利用している場合
・独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)が登録・公表した「サイバーセキュリティお助け隊サービス」の利用が確認できる書類(申込書、請求書等) |
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⑨ (連携)事業継続力強化計画の認定を受けている場合
・交付申請時に有効な期間における、(連携)事業継続力強化計画認定書、申請書類 |
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⑩ アトツギ甲子園の出場者である場合
・アトツギ甲子園の出場(地方予選を含む)が確認できる書類 |
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⑪ ワーク・ライフ・バランス等の推進の取り組みに該当する場合
・基準適合一般事業主認定通知書の写し |
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⑫ 加点事由における賃上げ要件を充足する場合
・賃金引上げ計画の誓約書 ・従業員への賃金引上げ計画の表明書 ・直近の給与支払期間における賃金台帳の写し |
交付申請に必要な書類(専門家活用枠)
1 共通して必要な交付申請書類一覧
交付申請類型番号1 | 〇申請者(法人)
1 履歴事項全部証明書(交付申請日から3カ月以内に発行されたもの) 2 直近の確定申告の基となる直近3期分の決算書(貸借対照表、損益計算書) 3 常時使用する従業員1名の労働条件通知書
〇申請者(法人)の代表者 1 住民票(交付申請日から3カ月以内に発行されたもの) |
交付申請類型番号2 | 〇申請者(個人事業主)
1 住民票(交付申請日から3カ月以内に発行されたもの) 2 税務署の受付印のある直近3期分の確定申告書B第一表・第二表と所得税青色申告決算書 3 開業届、所得税青色申告承認申請書の写し 4 常時使用する従業員1名の労働条件通知書 |
交付申請類型番号3 | 〇申請者(対象会社)
1 履歴事項全部証明書(交付申請日から3カ月以内に発行されたもの) 2 税務署受付印のある直近の確定申告書(別表一、別表二、別表四) 3 確定申告の基となる直近3期分の決算書(貸借対照表、損益計算書) 4 株主名簿(代表者の原本証明付き) 5 常時使用する従業員1名の労働条件通知書
〇申請者(対象会社)の代表者 1 住民票(交付申請日から3カ月以内に発行されたもの)
〇共同申請者(支配株主または株主代表)※共同申請の場合 1 住民票(交付申請日から3カ月以内に発行されたもの) 2 履歴事項全部証明書(交付申請日から3カ月以内に発行されたもの) 3 株主代表としての確認書 |
2 該当者に必要な書類
補助率に関する要件充足を証明する書類 | ①~②のいずれかに該当し、売り手支援類型(Ⅱ型)における補助率 2/3 以内を希望する場合には、下方に記載された必要書類を提出。要件はいずれか1つのみを選択可。
➀ 物価高等の影響により、営業利益率が低下している ② 直近決算期の営業利益または経常利益が赤字である |
➀ 物価高等の影響により、営業利益率が低下している
・営業利益率低下に関する計算書(法人・個人事業主) ・直近期の所得税青色申告決算書(個人事業主) ※直近事業年度と2期前の事業年度を通年にて比較する場合 ・直近期および2期前の、確定申告の基となる決算書の損益計算書(法人) ・直近期および2期前の所得税青色申告決算書(個人事業主) ※直近事業年度、交付申請時点で進行中の事業年度のうち、それぞれ任意の連続する3カ月にて比較する場合 ・比較対象となる月の試算表(法人・個人事業主) ・顧問会計専門家作成の営業利益率低下に係る計算書(試算表作成がない場合) |
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② 直近決算期の営業利益または経常利益が赤字の者
・直近期の確定申告の基となる決算書の損益計算書(法人) ・税務署の受付印のある直近の確定申告書B(第一表・第二表)と所得税青色申告決算書(個人事業主) |
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加点事由にかかる書類 | ① 「中小企業の会計に関する基本要領」又は「中小企業の会計に関する指針」の適用を受けている事業者
※下記いずれかの書類 ・中小企業の会計に関する基本要領のチェックリスト(顧問会計専門家印のあるもの) ・中小企業の会計に関する指針のチェックリスト(顧問会計専門家印のあるもの) |
② 経営力向上計画の認定、経営革新計画の承認又は先端設備等導入計画の認定書を受けている場合
※交付申請時に有効な期間における、下記いずれかの書類を提出 ・経営力向上計画の認定書および申請書類(経営力向上計画) ・承認書(経営革新計画) ・認定書(先端設備等導入計画) |
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③ 地域未来牽引企業である場合
・地域未来牽引企業の選考証 |
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④ 中小企業基本法等の小規模企業者
・直近期の法人事業概況説明書の写し(法人) ・直近期の所得税青色申告決算書(個人事業主) |
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⑤ (連携)事業継続力強化計画の認定を受けている場合
・(連携)事業継続力強化計画の認定書、申請書類 |
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⑥ ワーク・ライフ・バランス等の推進の取り組みに該当する場合
・基準適合一般事業主認定通知書の写し |
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⑦ 健康経営優良法人である場合
・健康経営優良法人の認定証 |
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⑧ サイバーセキュリティお助け隊サービスを利用している場合
・独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)が登録・公表した「サイバーセキュリティお助け隊サービス」の利用が確認できる書類(申込書、請求書等) |
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⑨ 加点事由における賃上げ要件を充足する場合
・賃金引上げ計画の誓約書 ・従業員への賃金引上げ計画の表明書 ・直近の給与支払期間における賃金台帳の写し ・M&A以降も賃上げを実施する誓約書(売り手のみ) |
交付申請に必要な書類(廃業・再チャレンジ枠)
交付申請類型番号1 | 〇申請者(対象会社)
1 履歴事項全部証明書(交付申請日から3カ月以内に発行されたもの) 2 直近の確定申告の基となる直近3期分の決算書(貸借対照表、損益計算書) 3 株主名簿 4 認定経営革新等支援機関による確認書 5 M&A(事業の譲り渡し)に着手したことの証憑(➀~③のいずれか) ①事業承継・引継ぎ支援センターから交付された支援依頼書の写し ②M&A仲介業者や地域金融機関など M&A 支援機関との業務委託契約書の写し ③M&Aマッチングサイトへの登録が完了したことを確認できるWEBページ、またはメールの写し
〇共同申請者(対象会社の支配株主または株主代表) 1 住民票(交付申請日から3カ月以内に発行されたもの) 2 履歴事項全部証明書(交付申請日から3カ月以内に発行されたもの) 3 廃業・再チャレンジの内容を記載した事業計画書 4 株主代表としての確認書 |
交付申請類型番号2 | 〇申請者(個人事業主)
1 住民票(交付申請日から3カ月以内に発行されたもの) 2 税務署の受付印のある直近3期分の所得税青色申告決算書 3 廃業・再チャレンジの内容を記載した事業計画書 4 認定経営革新等支援機関による確認書 5 M&A(事業の譲り渡し)に着手したことの証憑(➀~③のいずれか) ①事業承継・引継ぎ支援センターから交付された支援依頼書の写し ②M&A仲介業者や地域金融機関など M&A 支援機関との業務委託契約書の写し ③M&Aマッチングサイトへの登録が完了したことを確認できるWEBページ、またはメールの写し |
事業計画の立案
申請書類の収集と並行して補助事業計画を立案します。補助金を活用してどのような補助事業を行うのか、補助事業の実施体制やスケジュールをどのように構築していくのか、補助事業を行う上でどのような経費が必要となりどの経費について補助金を活用するのか。などについて具体的に記載します。具体的で達成見込みが高い計画ほど採択可能性が高まります。各事業の公募要領で審査のポイントを確認して事業計画の策定を行ってください。
専門家への相談
事業承継・引継ぎ補助金は、制度が複雑で多くの書類が必要となり立案した事業計画が審査にかけられます。必要に応じて専門家の支援を受けながらの申請を行うとスムーズです。また、申請の際は認定経営革新等支援機関が発行する確認書が必要となります。専門家活用事業で申請する場合は、M&A支援機関登録制度に登録した専門家の支援を受ける必要があります。下記サイトより支援先の検索が可能です。
交付申請フォームの選択
事業承継・引継ぎ補助金は、申請者の状況によってjGrants申請フォームが異なります。適切でない交付申請フォームから申請した場合は、不備があるとして補助金の交付が受けられません。以下の判断基準を参考にしながら適切なフォームを選択してください。
【交付申請フォーム判断基準】
〇経営革新枠 フォーム1~12
・支援類型 (創業支援型、経営者交代型、M&A型)
・補助金を受け取る者(承継者)
・被承継者
・事業承継の形態
〇専門家活用枠 フォーム1~6
・支援類型(買い手支援型、売り手支援型)
・補助金を受け取る者
・経営資源の引継ぎの方法(M&Aの手法)
〇廃業・再チャレンジ枠 フォーム1~3
・補助金を受け取る者
記載ミスや添付書類不備の確認
原則として、申請内容に重大な誤りがあった場合は失格となり審査には進めません。申請前には必ず内容の再確認を行います。ケースによっては事務局から書類の確認や再提出を求められる場合があります。再提出には1~3営業日を目安に期限が設けられます。この期限を超過した再申請は認められない場合がありますので、交付申請を終えた後もjGrantsや事務局からのメールはこまめにチェックしてください。
交付申請
jGrantsから交付申請を行います。jGrantsの入力方法については、Webサイトに記載の「電子申請マニュアル」を参照にしながら進めてください。
まとめ
事業承継・引継ぎ補助金は「経営革新枠」「専門家活用枠」「廃業・再チャレンジ枠」の3つの事業で構成されていて、その中でもさらに支援類型が「創業支援型」「経営者交代型」「M&A型」(経営革新事業)、「買い手支援型」「売り手支援型」(専門家活用事業)と分かれています。交付申請手続きも複雑になりますので、不備がないように入念な確認が必要になります。書類作成や事業計画書策定に自信がない場合は、必要に応じて専門家の支援を仰ぐこともお勧めします。